住所からGoogleマップで下調べをさせていて頂いた時から大きなお住まいだとは思っていましたが、現地に到着し実物を目にすると圧倒されそうになるくらいの規模な建物。
室内から雨漏り箇所を確認、天井点検口から天井裏を調査。
赤丸で囲ったところに雨染みが見受けられましたので、雨漏りであることが確定しました。
そして、気になることが
天井に敷き詰められた断熱材(袋入りグラスウール)が散乱しています。
ネズミやイタチが出入りしている典型的な状態。
雨漏り原因を探るために屋根に上がります。
平屋建ての本格的な和風建築。
【雨漏り箇所を調査】
雨漏り箇所の真上付近の瓦を捲ってみます。
瓦は淡路産いぶし和瓦で、土葺き仕様でした。
築後30年余りですので、この当時としてはごく一般的な工法です。
瓦を留め付ける釘はほとんど使われていませんので、簡単に瓦を取り外すことができます。
雨漏り原因は、ルーフィング(防水シート)の劣化だと判断しました。
使用してあるルーフィングはアスファルト系ではなく、当時流行ったビニール系シートと紙を張り合わせたハイブリッド製品です。
これらは熱や湿気で縮み、重なり代がなくなってしまう性質があります。
ペン先で捲りあげた下に野地合板が確認できます。
【その他部分を調査】
谷部分
銅板製ですが、穴が開きコーキングで塞いだ補修歴があります。
昨今の大気の汚れの影響か銅板の寿命はイメージよりも短い気がします。
ガリバリウム鋼板の方が耐久性はあります。
谷出口軒裏の様子
谷隅木と隣接する垂木が濡れいています。
軒回りの処理方法による雨掛りか、屋根面からの雨漏りかは定かではありません。
ひょっとするとその両方の可能性もあります。
軒先面戸付近
軒先瓦下の土がはみ出てきています。
瓦のズレが原因だとと思われます。
桟瓦の浮き
強風か地震で瓦が浮き上がったと思われます。
瓦を釘等で留め付けていない為に起こる現象。
桟瓦の隙
これは瓦の葺き方というよりも瓦そのものの行儀(焼き物特有のネジレ)が原因です。
台風時には雨が吹き込み雨漏りとなります。
年に数回だけ雨が漏る といった場合によく見受けられるものです。
落ち葉
瓦の接合部にこのように枯葉などが挟まっても雨漏りを起こす場合があります。
【所見】
ルーフィングの劣化による雨漏りは、残念ながら軽微な補修では根本的な解決はできません。
よって、瓦を捲りルーフィングを張り替える必要があります。
また、土葺き工法は瓦そのものを釘等で固定していませんので、地震や台風には不利です。
よって、瓦の葺き直しを提案させて頂きました。
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