【在来式浴室からシステムバスルームに取替え】
20年程前まではごくあたりまえであったタイル貼りの浴室(在来式)。
床と壁にタイルを貼り、ステンレス製の浴槽。
金属製の浴槽は熱を伝えやすく、お湯が短時間で冷めてしまいます。
タイルの床と壁も温まるのには時間が掛りますのでせっかく温まった体が体を洗っている間にすっかり冷めて寒さを感じます。
また、タイルは滑りますので注意が必要ですし、掃除も重労働です。
小さなアルミサッシの窓。
窓の位置は浴室ドアの正面にありますので、出入り時にはお隣の視線が気になっているとのことでした。(実際に覗かれているわけのではないのですが・・・)
窓形状が引き違いのため全開にしても窓枠の半分ほどの面積しか開きません。また写真のような開き方を行っているので網戸が用を足さずに困っているとのことです。
洋室を解体。
在来式の浴室では基礎を高くし、タイル目地からの水漏れで建物が傷むのを予防しています。
今回の事例では3方向がコンクリートブロック積みでした。
ただし、このコンクリートブロックは空洞でモルタルを詰めていませんでしたので、耐震性は非常に劣ります。
浴室ドアの床下辺りにシロアリ被害があり、補強が必要となりました。
土台も長年水か掛り傷んでいます。
タイル貼りの浴室では、よく見受けられる劣化です。 これらはシロアリ防除の床下調査でも発見できません。
土間部分は金属メッシュ(鉄製網)を入れたモルタルを10cm厚に塗り、システムバスの重量ン耐えられるようにします。
また、床下からの湿気も大幅に減らすことができます。
本来であればコンクリートブロックをすべて取り去り、鉄筋コンクリート製の壁か柱を長いものに取り替えて耐震性を持たせたいところですが、今回はお客様と相談の上、工事期間とご予算の関係で反対側に階段を取り付けたこの一面だけを補強改修することになりました。
浴室内部は柱・梁などを金物で補強した上で構造用合板を張り耐震性を持たせています。
壁内部は袋入りグラスウール断熱材を充填し必要最低限の断熱性を持たせます。
必要な配管・配線を行いシステムバスルームを設置。
機器はTOTOsazana(サザナ)です。
洗い場の床がやわらかく素足での踏み心地が暖かく心地よい物でした。浴室乾燥機も取り付けガス浴室暖房機として利用します。
窓位置はドアから対面となる位置に変更し視線を気にしないように配慮しました。
窓は樹脂サッシの複層ガラス入りドリーキャップ形状としましたので、断熱性・防犯性・掃除などのメンテナンス性を大幅に向上させました。
樹脂製ドリーキャップ窓は、弊社ではよくお薦めし採用頂いています。
【台所床にガス床暖房を設置】
クッションフロアー貼りのダイニングキッチンの床。クッションフロアーが固くなりところどころひび割れが見受けれらます。
ガス床暖房(温水式)を取り付けるために床下を調査。
幸い床下収納庫がありましたので、そこから確認することができました。
気になったのが床束を設置している束石。
一箇所だけですがコンクリートブロックを代用しています。
床を捲り工事開始。
気になっていた束石をコンクリート製ベース板に取替え、ついでに床束を鋼製束に取替え。
温水パネルを設置。
床下収納庫の位置がダイニングテーブルの脚にかかって使いにくいと感じていたためこれも位置替え。
大きな面積を捲るとついでに色々なことができます。
床仕上げは床暖房対応タイプの木目調クッションフロアー貼り。
掃除が簡単で水濡れにも安心ですので水回りにはこれが良いと思います。
【感 想】
今回の改修工事は、寒さ対策の相談を受け行った事例です。当社からの提案がお客様のご要望とピッタリ合い、短時間の打ち合わせで着工となりました。
新築や大規模な改修工事では、建物そのものに断熱性能と気密性能をしっかりと持たせてやれば室内の温度差をある程度均一に保つことができますが、部分的なリフォーム工事では機器の取替えや付け加えで対処することができます。
ストーブ(採暖)を買い足すのも方法ですが、効果は限定的です。可能であれば一部屋を全面リフォームされますと居心地の良い空間(暖房)を手に入れることができます。
ヒートショックを予防するためにも命を守る温熱環境の改善をお薦めします。
【主だった工事内容】
浴室取替え・床暖房設置・ガス給湯器取替え・洗面化粧台取替え・トイレシャワー便座取替え・部屋内壁改装・インターホン取替え・カーポート波板取替え・他付帯工事。
【工 期】
延べ3週間。
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