2013年4月27日土曜日

仕組み ― 目に見えないもの
















ゴールデンウィークが始まりました。
今年は週の半ばに平日が挟まるカレンダーで10連休とはなりませんが、それでも数日のまとまった休みに何をしようか? といろいろな計画を立てて楽しみにしていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

春の陽気に誘われて、少し遠出をしてみよう。
新年度に就職・進学・部署替えがあって、気疲れがしているので徹底的に休もう。
買ったまま積読になっている本を集中して読破しよう。
人それぞれのゴールデンウィークを過ごされると思います。
なかには”普通に仕事”という方もいらっしゃるでしょう。 お疲れ様でございます。

私の予定は、日曜日以外は”普通に仕事”となりそうです。
現場が動いている期間はご近所とお客様に配慮をして、日曜日は現場を止めますがそれ以外は動いていることが多いです。
そんな中でもハーバーランドセンタービルで開催中の『フェルメール光の王国展』だけは見にゆこうと予定をしています。

総合監修は近頃テレビでよく見かける福岡伸一、本業は分子生物学者なのですが銀座のフェルメールセンターの立ち上げやANAの機内誌『翼の王国』に連載していた紀行文をまとめた『フェルメール 光の王国』という著作もあるフェルメールの熱烈なファンの一人ですね。
今年のまだ寒い頃にこの展覧会に展示されている作品の制作話(デジタルマスタリング技術)がテレビ放映されそれも興味深く見ていました。
フェルメールの作品はわかっているだけで三十数点ほどしかなく、その中でも窓から差し込むやわらかい光に包まれた構図の絵が私は大好きです。

休日の事務所では問い合わせの電話が鳴ることも少なく、まったりとした時間が流れてゆきます。こんな時は溜まった事務を片づけたり、案件をじっくり練ってみたり見直したり、普段の時間に追われる中でできない作業を主にしています。
そして、時間が余れば積読の解消をするために何冊かの本を手元に置いています。

福岡伸一といえば、2007年に発行されベストセラーになった『生物と無生物のあいだ』をついこの間再読してみました。
その中には1990年にフェルメールの『合奏』がボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から盗まれた事件(絵は未だ発見されていません)の記述も見られます。


さて、今日のブログのテーマ『仕組み ― 目に見えないもの』です。

『生物と無生物のあいだ』は、生物とは何かをテーマに著者なりにそれを定義づけをするもので、学者らしからぬ著者独特の丁寧な美しい文章で語っています。
著者は細胞の中に含まれているDNAやタンパク質が生物が生物としてあり続けるために必要な仕組みとして具体的に書いていますが、それら特殊な装置がないと見ることができない世界の仕組みが尺度を変えて普通に見ることができる実寸大の世界にも当てはまるのかも知れないと思い再読してみました。
人体に例えれば骨格や筋肉、血管、各種臓器、神経などの普通には直接見ることができない部分と全体の容姿や皮膚、体毛、爪、歯などの普通に見ることができる部分。

生活する中で身近にある『物』 これらにも見える部分と見えなくなってしまっている部分とがあります。私の専門分野で例えると建築(とりわけ住宅)に関しての見える部分は屋根や壁などの外装であったり、床板や壁紙などの内装であったり、扉やキッチンや浴室といった目で見て好みを判断したり実際に使ってみて良し悪しを判断できる部分。
一方 見えなくなっている部分は、床下や壁の中・天井裏といった場所、隠されてはいないけれども間近で見ることができない屋根の上などがあります。これら見えない(確認しづらい)ものもは見て確認できる部分に比べて建物を建物としてあり続けるために必要な仕組みである場合が多いように思います。

と、ここまで書いてきて思ったよりも先が長くなりそうですので、一旦区切りを付け続きは日を改めて書きたいと思います。
有意義なゴールデンウィークをお過ごしください。


(本文中の敬称は省略しています)

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