2015年12月3日木曜日

日経ホームビルダー2015年12月号に現場事例が掲載されました。

日経ホームビルダー2015年12月号に現場事例が掲載されました。




記事表題は 危ない雨仕舞い <不具合事例編>
個別記事として 「防水ミスで壁内に雨水が滞留 約10年で躯体がぼろぼろに」というショッキングな題名です。



築10年目の分譲住宅での雨漏り事故例です。
改修箇所は、屋根全面・外壁全面・被害のあった構造体及び内装でした。

以前は新築住宅の分譲主(若しくは建築請負業者)が建物引渡し後に倒産してしまった場合、建物の所有者は不具合(瑕疵)があった場合すべて自己負担で修理/改修工事を行う必要がありました。現在では消費者保護のために「住宅瑕疵担保履行法」(正式名称は「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」平成19年5月30日公布、平成21年10月1日施行)の「瑕疵担保期間の10年の義務化」という業者側に修理義務があり業者が倒産したという不測の事態にでも建物引渡し後10年以内(10年を超えて判明した不具合はこの制度の対象外ですので、所有者の全額負担が基本です)に保険限度額の範囲で所有者は修理/改修工事を保険の免責額だけを負担すれば行うことができます。


今回の事例は「住宅瑕疵担保履行法」で担保力が義務化される以前の任意である「住宅性能保証制度」(例えるなら自動車の任意保険)が付いた建物でしたので不幸中の幸いだったと思います。
但し、保険での担保額は修理/改修工事費用の80%査定でしたので現在の「住宅瑕疵担保履行法」よりは不利な制度です。


【工事を振り返って】
今回このような住宅瑕疵担保保険を利用した工事に初めて携わりましたが、保険会社との折衝は骨の折れるもので貴重な体験となりました。
基本的に不具合(瑕疵)の証明は所有者側が行う必要がありますので、調査に要する時間や費用の負担が大きくまた調査の結果、瑕疵が見つからなかった場合にはそれらの費用は全て所有者の負担となります。(ある意味ギャンブルのようなものですね)

そのことを考えると所有者はギャンブルを避けるのではないかと思います。また、改修を担当する建設業者も瑕疵が見つからなかった場合、事後に所有者と費用面での折衝を考えると尻込みするかもしれません。
「藪をつついて蛇を追い出さない」「寝た子を起こさない」といったあえて瑕疵を積極的に探さなくなる可能性もあると思います。

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